リエゾンナースとは

看護の資格には、専門看護師という上級資格があります。専門看護師になるには、大学院卒業単位の修得が必要で、一般看護師にはハードルが高いと言えるでしょう。専門看護師の領域は、小児看護や老人看護といった13の看護分野に分かれていて、専門看護師は、特定分野の専門知識を身につけ、一般看護師と医師のパイプ役を果たしたり、現場の指導的立場に立ったりしています。専門看護師の1分野として精神看護があり、精神看護専門看護師がリエゾンナースと呼ばれているのです。

リエゾンとは、架け橋や連携を意味する言葉で、リエゾンナースは、他の診療科の看護師と連携し、患者や家族の心理的サポートを行います。患者の精神疾患の原因となった他の傷病について、他の診療科の看護師と情報を共有しながら、心療内科に関する医療スキルを発揮して、医師の右腕として活躍しているのです。医師が患者の容態を診断し治療方針を示したら、リエゾンナースが中心となって疾患や障害に悩まされる患者にきめ細かい看護ケアを施します。

治療には家族による支援も不可欠のため、リエゾンナースは家族に対してもメンタルサポートを行います。重篤な患者を抱える家族の中には、鬱などの疾患に陥るケースも少なくありません。リエゾンナースは、こうした事態を回避するために、家族の心理的支援も欠かさないのです。このほかに、リエゾンナースは、一般看護師のメンタルケア支援や、心療内科の看護ケアに関する教育活動や研究も手がけています。