小児心療内科は、こころの健康問題を抱える子どもたちとその家族を支援する診療科です。小児期に発症しやすい注意欠如・多動症(ADHD)、自閉スペクトラム症、不安症、うつ病、摂食障害、チック症、強迫性障害など、幅広い精神疾患に対応します。小児心療内科の特徴として、子どものこころは発達段階によって大きく変化するため、年齢や発達に応じた診療が必要となることが挙げられます。また、薬物療法だけでなく、プレイセラピー、認知行動療法など、様々な心理療法を組み合わせた治療が行われます。さらに、子どものこころの問題は家族関係に影響を受ける場合も多いため、家族へのカウンセリングやサポートも重要となります。
看護師は、小児心療内科において非常に重要な役割を担います。子どもの表情、行動、言葉遣いなど、些細な変化も見逃さないよう注意深く観察することが求められます。また、保護者の不安や悩みに寄り添い、安心して話せる雰囲気作りを心がけ、信頼関係を築くことが大切です。そして、医師、臨床心理士、作業療法士、言語聴覚士など、様々な専門職と連携し、チームで子どもと家族を支えていくことが重要です。
小児期の心の問題は、早期発見・早期治療が重要です。食欲や睡眠の変化、落ち着きのなさ、反抗的な態度、登園・登校渋り、友達関係のトラブル、身体的な訴え(腹痛、頭痛など)、このようなサインを見逃さず、専門機関への受診を促しましょう。小児心療内科は、子どもたちの明るい未来を創造するために、重要な役割を担っています。看護師一人ひとりが専門知識とスキルを向上させ、子どもたちとその家族に寄り添うことで、より良い医療を提供していきましょう。